花巻市議会3月定例会の一般質問が開かれた3日、その冒頭で上田東一市長と佐藤勝教育長が小中学校の「臨時休校」などに伴う一連の対応措置について、その経緯を説明した。その後、鎌田幸也議員(市民クラブ)から「緊急質問」を求める動議が出された。市議会会議規則には「質問が緊急を要するときその他真にやむを得ないと認められるときは、議会の同意を得て質問することができる」(第62条)と規定されており、これに基づいて動議が出された、小原雅道議長の指示で直ちに議会運営委員会が開かれた結果、議員全員の満場一致で緊急質問が了承された。
鎌田議員は全体としての対応を是としつつ、「公共施設の一斉休館(3月2日から同19日)や職員の休暇に伴う市民の来庁自粛など他の自治体に比べても踏み込んだ措置が目立つ。地域の活動拠点である振興センタ−も閉鎖され、そのあおりで各種行事も中止や延期に追い込まれている。なにか指導指針のようなものは考えていないのか」とただした。これに対し、「花巻は観光都市であり、何としてでも拡大防止と域内発生を食い止めるための対策が最優先と考えた。患者第1号は絶対に避けなければならないという苦渋の決断だった。地域活動の停滞については自治公民館の開放なども必要に応じて検討したい」などと従来と同じ回答を繰り返した。
緊急質問は自然災害などの際に認められるケースが多いが、議会事務局によれば過去に前例はなく、今回の「コロナ」騒動が死文化していたその条項の有効性を思い出させる結果になった。でもせっかくの機会だったのに、鎌田議員の追及のなんとも腰砕けだったことよ。たとえば、私ならこう食い下がったけどなぁ。「それ(観光都市)も行政トップとして当然、留意しなければならないけど、あなた(市長)の口癖の市民の『安心・安全』はどこに行ったのか」―とかね。
(写真は緊急質問を認める宣言をする小原議長=3月3日午前、花巻市議会議場で。インターネット中継の画面から)