新花巻図書館に関する、オンラインによる2回目の「市民との意見交換会」が31日午前10時から約2時間にわたって開かれた。ところが、参加者は前回と同じ11人。うち初めての参加はわずか4人で、私を含めた7人が同じ顔ぶれだった。前回と同様、市川清志・生涯学習部長の経過説明の後、質疑や意見交換が行われたが、図書館の「そもそも」論に議論が集中し、これまでにない白熱した展開になった。
「誰がどのような方法で蔵書の選定をしているのか」―。昨年夏にふるさとの東和町にUタ−ンしたという男性が口火を切り、「地元の東和図書館に数学やコンピュ−タ−関連の本は何冊あるのか」とただした。「司書が選定基準に従って…」と口ごもる市川部長をさえぎるようにして男性は言った。「私が調べた結果、約7万冊の蔵書のうち、数学関連は42冊、コンピュ−タ−関連に至ってはゼロ。図書館は建物などのハ−ド面よりもこうした中身こそが大切。当市の構想にはその辺がすっぽりと抜け落ちている」…この発言をきっかけに議論は上田(東一)市政のあり方にも及んだ。
「(上田)市長はどうも部下を信じていないように見える。部長レベルの権限を飛び越え、トップダウンが横行している。ということは、市民も信用していないということにもつながる。この方はそもそも図書館問題を口にする見識さえ持ち合わせていないと言わざるを得ない。市長がお題目みたいに唱える『立地適正化計画』から図書館構想を除外し、すべてを白紙に戻して、出直すべきではないか。プロジェクトチームに名を連ねる二人の副市長の姿かたちは見たことさえない」―。辛口の市政批判を受けて、私は最後にこう発言した。
「今日の議論を聞き、遠い道のりだったとは思うがやっと、本当の意味での“図書館”論議のスタ−ト台に立ったような気がする。まさか、わずか10人余りの市民参加をもって、市民全体の意見集約ができたという既成事実化はあるまいし、あってはならない。今回のオンライン会議の反省点も踏まえ、若い世代や子育て世代が集まる場所などに直接出向いて、耳を傾けるなど今後とも幅広い市民の意見を集めるべきだ。その意味で『1月31日』というこの日を“図書館元年”の節目として、記憶にとどめたい」
(写真は時の人−市川部長も時折、苦渋の表情を見せた=1月31日午前、自室のパソコン画面から)
《追記》〜牧野講演会の動画を公開
1月24日に開催した「新花巻図書館ーまるごと市民会議」主催の第2回「図書館と私」シリーズのオンライン講演が機器の不具合から一部音声が乱れたことを改めてお詫び申し上げます。再収録した動画を「まるごと市民会議」のフェイスブック上で公開中です。講師は当会発起人のひとりで、絵本専門士の牧野幹さん。多くの人の視聴をお待ちしております。