「市はまるで(宮沢)賢治学会の下請け機関に成り下がったみたいだ。主体性が感じられない」、「イ−ハト−ブ館は“賢治知らず”の市職員の天下り先になってはいないか」、「ところで、賢治の香りがするまちって、どんなまち?」…。いきなり、強烈パンチが放たれた。花巻市内の賢治愛好家らが次期市長選に立候補を表明している小原雅道氏(61)と「賢治のまちづくり」について、話し合う集会が21日に開かれ、熱のこもった議論が繰り広げられた。
将来都市像として「イ−ハト−ブはなまき」の実現をスロ−ガンに掲げ、全国でただひとつ固有名詞を冠した「賢治まちづくり課」を設置する当市だが、「その姿がさっぱり見えてこない」というのが今回の意見交換会のきっかけ。コヒ−ブレイクの雰囲気の中、一家言(いっかげん)をもつ“プロ”たちから、次々と鋭い意見が飛び出した。「土台、賢治を掲げながら、職員自身が賢治を余り理解していないのではないか」、「世界に開かれた賢治のはずなのに、足元の市民が置き去りにされている」、「(図書館をめぐる)WSもほとんどアリバイづくり」、「JR花巻駅の橋上化なんて、“賢治いっぱい”のまちづくりを夢見る市民にとってはバカくさくて物も言えない」…
「ところで、現市長の“パワハラ”疑惑は私たちの周囲でも話題になっている。職員の権利を守るべき立場の労働組合は一体、何をしているのか」―。意表を突く発言に土俵際に追いつめられたと思いきや、小原氏は相手を制して言った。「ここまで言うべきかどうか、本当はいまさっきまで迷っていたんです」と口を開き、こう続けた。「複数の部長さんに話を伺った時、オレたちはもう1〜2年我慢すればいいんだけれど…。でもね、後ろを振り向くと、昨日までそこに座っていた前途有能な若い職員が突然退職していなくなったり、病気に倒れたり…。そのうめきのような話を聞いた時に(出馬を)決断しました」
「ワンマンとリ−ダ−シップは違います。職員だけではなく、市民に不利益をもたらすワンマンは市政の場でも許されるのもではありません」―小原氏のきっぱりした口調に辛口たちの間から拍手がわき起こった。「本人はたぶん気が付いていないだろうが、選挙って、人間を大きくするもんだな」…私はこの風景を目の端に見ながら、妙な感慨にとらわれていた。
(写真はコーヒ−を飲みながらの甲論乙駁が盛り上がった会場=12月21日午後、花巻市上町の「賢治の広場」で)
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